建築探偵のアングル

アングル161

旧北海道農事試験場根室支場庁舎
旧北海道農事試験場根室支場庁舎

~旧北海道農事試験場根室支場庁舎~

  

 中標津町桜が丘115に建つ旧庁舎は、1927年(昭和2年)に建てられた鉄筋コンクリート2階建て、中央に塔屋を上げ、張り出した玄関、左右対称の外観と縦長の上げ下げ窓が特徴の建物で試験場本場は札幌です。開拓農家の点在するこの地に出現した、当時は珍しかった鉄筋コンクリ―トの建物は、丘の洋館と呼ばれ親しまれたそうです。北海道第二期拓殖計画の一環で行われた根釧原野の開拓事業の象徴とされてきた根室支場ですが、2003年(平成15年)に新庁舎へ移転、一端は取り壊しが決定しましたが、町民有志の存続運動が実り、翌年に道から中標津町へ無償譲渡され、「NPO法人伝成館まちづくり協議会」が発足し保存・管理にあたっています。2009年(平成21年)8月7日国登録文化財に登録されました。当初の建物は中央部分、左右は増築部分です。現在は場長室や当時の教科書などの展示室のほか、貸し事務所、時間貸しの部屋のほか音楽スタジオにも活用して運営資金に充てています。増築部分にはカフエ「なみきみち」が営業中。協議会では地域の記憶を後世に伝え残すために「語り部談義」も開催しているそうです。横須賀の万代会館保存・活用に参考となることもあるようです。(2018.12.15