横須賀水道みちウオーキングの結果報告(2)

海軍杭
海軍杭

 海老名駅近く小田急線の踏切を出発点にしようとしたが小田急線は高架になってしまい踏切確認できず『水道路』探すのにアタフタした。東名から降りるインターができた所為か畑の中を広い道路がバンバン出来ている。もう既に駅の近くにはマンションが幾つも建っているが駅から徒歩10分、20分の畑地にマンションが林立する気配がする。踏切があった近く海老名総合病院脇の排水路は以前のままで水道管は保護されているが『路』は海老名市が監理する緑地と遊歩道。数個並ぶ石杭に海老名市の鋲が打ってある「売ったんじゃない?」と、参加者は口々に話している。公営住宅らしい団地の脇は住人が花壇にしている。大切に使われていると言えなくもない。

 

 ♪アチュギノタイチュスッチャカタッタッタ 四十数年前娘が歌っていたのを想い出しながら「あつぎ」工場脇の『路』を通ると貸駐車場/横須賀市水道部の看板、『路』の半分をロープで区切り縦列で貸しているらしい。車は止まっていなかったが、ロープは古くまともに区切られていない。

 

 交差する道路を渡り、切り通した坂道を行く。切った処は草土手で土手の上部に石杭が点在する。脇腹に波が掘られた旧海軍のもの、テッペンにYが掘られた横須賀市水道部のものなどがある。旧軍の杭は太く頑丈そう、市のものは細身、もっと最近のはぐっと細い。財政難を見る思いがする。そのうちプラスチックになり、果ては木杭になるかも知れない。杭が何本か横倒しになっていて土留めに使われてさえいるのを痛ましい思いで見下ろす。

  

 

 

道祖神
道祖神

 途中振り向くと大山、三峰の山々が霞みがかって見える。古くからの道と交差する辻二ヶ所に道祖神が祭られている。「横須賀には道祖神は一つも無い。庚申塔は多いけどね」と同行者がのたまう。この辺りの電柱に取り付けてあるプレートは普通の町名番地だが番地の下に地図が、現在地が赤点で示してあり入り組んだ道がよく判る。右側の林に子どもが遊んでいる。木の上から綱を垂らし板を括りつけてブランコ。ターザンごっこだ。子どもが遊べる自然を大人たちは奪っていく。坂を登りきり又振り返ると『路』は真っ直ぐだがうねっている。頂上に橋があり「吉久保橋」という、流れは速く時速80キロを超える。ひとは「車の流れ」とよんでいる。世に言う東名である。

水道みち公園
水道みち公園

 橋から坂を下りていく左側は区画された住宅団地で造成時存在しただろう杭は一つも無い。右側の造成されない方には杭が残っているのでその差歴然である。その先団地の外れに「水道みち公園」という広場が在って遊具などが置いてある。うっかりして観察しなかったが『水道路』杭は公園の柵に記念として使われたか供養塔にでもなったか好事家に引き取られたか全く不明なのだ。

 

 それはさて置き住宅団地にある児童公園で昼食となった。親に連れられて来た子がブランコをしている。ターザンごっこの比では無い。大きな広場が在り桜も咲いているのに他に誰もいない。周辺に在るベンチで三々五々食事をとる。明後日のほうで食べてる人もいる「カンチュウハイ買ってくればよかった」と呟いてみるが昼間から飲むなんて、という不文律がある。

 

 住宅団地は県道で藤沢市と綾瀬市に分かれていて『路』と交わる交差点の左側は桜並木「800メートルもあるのよ、並木の下の花壇も綺麗だから」近所の女性「有難う」と言って別れる。県道を桜並木と反対に右折。20メートル程先に高座豚のハム、ソーセージ直売所が在りトイレを借り、それぞれ物を買ったり食べたりする。『路』に戻ると「県企業庁水道局吉岡配水池」があり又も『路』貸駐車場、ここは舗装されペンキで区画されている。坂の下は谷間で広い庭のある農家、その先は豚舎と搾乳工場(?)『路』を通ると臭いこと臭いこと。その先「堀の内橋」の架かる目久尻川が流れている。川下には「寒川神社」があり「横須賀市水道局 社家導水ポンプ所」「横須賀市水道局・横浜水道局寒川取水事務所」がある。

 

 小高い丘の切り通しを行く。両側の土手の上に石杭は在る。土手の草は住人が刈って ると他所で聞いた。右手に「綾瀬浄水場」が在るらしいのだが「うちらは横須賀だ」と無視する。畑地が続く平坦な『路』を行くと野菜無人販売所があり人参と里芋を売っている「100円は安いわ」女性は群がるが持って行くには重いので男性は見向きもしない。買った女性はその後辛そうに歩いていた。

 

 工業団地を通るが土曜日なので静かだ。家内工業を営む家は音を出しても咎められない場所で遣るしかない。住宅団地の中では駄目だ。この辺りは工場地帯で住まいは別だし土日は休みだから今日は静かなのだろう。工業団地を過ぎると畑地になり藤沢市だ。舗装してない土の道『水道路』は農道と化している。畑には作物らしきもの無し。大根が並んで背伸びしている「大根って上に伸びるのかしら」「土が硬いと上に伸びるのかも」。この辺りは庭木を栽培している処が多いらしい。左手先は車が頻繁に通っている道路があるようだ。右手先方「新幹線だ!」。手前の『路』杭は金具を被せた細身の杭。東海道新幹線の線路を潜り電車が来るのを待つ。通過する時は地面がけっこう揺れる。確か「有馬浄水場」からの管がこの辺でぶつかる筈。探してみると『路』から5メートルほど離れたところで新幹線を潜っていて半原からの『水道路』に斜めに入り込んでいるらしい。ここから仲良く藤沢の大鋸辺まで行って又別れる運命となっている。

 

 もうすぐ今日の終点「いすず自動車北門」だが、林、畑、豚舎、自転車歩行者専用道、住宅といろいろあったけど土筆の群生には魂消た。「ツクシ ダレノコ スギナノコ」国語で習った。女性たちが「オカズにする」と、採取する。これが男より長生きする所以だ。その先に新しい道路がまた出来ている。渡れないので信号のある交差点まで遠回りする。家々の庭の枝垂れ梅、桜を見ながら歩き目的地前の県道を車に気を付けて渡りバス停。バスに乗り海老名駅へ。駅前で解散。

 「横須賀水道みちウオーキング」海老名、綾瀬、藤沢と辿った『路』に交差する車の為と云える道路、ひとが小さくなって渡る道路を思う時『横須賀水道路』よ永遠なれと願わずにはいられない。

 ♪四月は花見で酒が飲めるぞ、というわ訳にいかなかった。参加者男7名女6名、計13名。(F)

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